​私の結婚式の感動エピソード

私は3年前に、結婚式を挙げました。現在の夫との結婚が決まり、どのような結婚式にしようかと話し合っていたのですが、当初私はあまり式に乗り気ではありませんでした。女性の多くは式を挙げたい、ウェディングドレスを着たいという願望を持っているかもしれませんが、私は式やドレスにはほとんど興味を持っていませんでした。その理由として考えられることは、私の両親が離婚をしていることが挙げられます。
両親は私が小学1年生の時に離婚をして、それからは母が1人で私を育ててくれました。子供心にも決して生活が楽ではないことに気付いており、朝早くから夜遅くまで働いている母を困らせるようなことをしてはいけないと、できる限り良い子でいることを心がけているような子供でした。父と会いたいという気持ちがなかったといえば嘘になってしまいますが、必死で働いている母の様子を見ていると、私がわがままを言って父に会うことは許されないと思っていました。
中学、高校と成長をすると、次第に父に対する気持ちが強くなっていきました。今どうしているのか、どのように暮らしているのか、母に父のことをたずねてみたい気持ちはあっても、2人の離婚の理由が父の浮気だったことを知った私には、母を傷付けてしまうのではないかと不安になり、父に関することを何も質問することができずにいました。母と私の間では、父のことを話題にしてはいけないという暗黙のルールが存在しているような気がしていたからです。
高校卒業後、私は地元の建設会社へ就職し、そこで夫と出会うことができました。初対面から意気投合した私たちはすぐに交際へと発展し、結婚を意識するようになりました。そして、結婚式をどうするのかといった話し合いの際、式に対する私の正直な気持ちを夫に全て打ち明けることができました。それは、父がその場に存在しないのなら、式を挙げる意味がないという思いでした。そのような私の本心を知った夫は、近親者だけの小さな式を挙げることを提案してくれました。母に私の晴れ姿を見てほしいという気持ちは当然のことながらあり、式を挙げることを決意しました。
式当日はとても緊張していた私ですが、夫と2人でバージンロードを歩くために会場の扉が開いた瞬間、緊張は感動へと変わりました。バージンロードの先には、父が立っていたのです。幼い頃に別れたままの父でしたが、しっかりと当時の面影が残っていたため、その人がすぐに父だとわかりました。私の父への思いを知った夫が、母と相談をしてくれて、父を式へ招待してくれたことをその時に初めて知りました。
父は穏やかに微笑んでいて、よく見ると目には涙が浮かんでいました。ずっと会いたいと願っていた父と、自分の結婚式という晴れの舞台で再会することができ、まるで夢のような時間でした。しっかりと私の気持ちを汲んでくれた夫はもちろんのこと、複雑な心境であったにもかかわらず娘である私の気持ちを理解してくれた母に、心から感謝の気持ちでいっぱいになりました。